幹細胞コスメを知るには基本から…そもそも幹細胞コスメって何?
幹細胞コスメはアンチエイジングの切り札、次世代のコスメとして
注目をあびています
幹細胞コスメってすごそうだけれど、
どんなふうに肌に良いの? リスクはある?
わからないことがいろいろありますね
近年どんどん進化を続けている
幹細胞コスメについて、くわしくお伝えします
目次
幹細胞コスメの基本を知ろう
幹細胞コスメは美容大国アメリカや韓国では、メジャーになってきています
残念ながら、日本ではまだ数が少ないのですが
マスコミでも取り上げられたりして、話題になりはじめています
幹細胞コスメと聞くと、「幹細胞」が入っているイメージがありますが
実際には、幹細胞そのものが入っているわけではありません
配合されているのは、幹細胞を培養するときに作られる「幹細胞培養液」です
なあ~んだ、じゃあ効果ないの?と思われそうですが
幹細胞培養液のなかには、幹細胞が分泌するたんぱく質やその仲間の
成長因子(グロースファクター)やサイトカインなどが含まれています
幹細胞コスメは幹細胞そのものではなく、
培養液の働きに着目しています
幹細胞培養液のパワーによって、
皮膚の幹細胞の活性化を狙っているのが
幹細胞コスメなんです
幹細胞培養液って、何がよいの?
それぞれの幹細胞には、細胞を生み出すすばらしい機能があります
肌の表皮と真皮にも幹細胞は存在しています
再生医学の研究で、幹細胞移植が話題になっていますが
幹細胞そのものだけでなく、幹細胞培養液にも
幹細胞と同等の働きがあるという研究が発表されています
たとえば人間の皮下脂肪から採ったヒト脂肪幹細胞を
培養した培養液の中にも成長因子(サイトカイン)など
500種を超えるたんぱく質が含まれていて
美白やシワ改善などの肌老化を抑制する作用や
傷を治したり、発毛・増毛作用などがあることが報告されています
近年、スイスの希少なリンゴから抽出したリンゴ果実培養細胞エキスなど
植物由来の幹細胞培養液も増えています
植物由来の幹細胞エキスも肌のターンオーバーを整えて
美肌をつくるサポートとして注目されています
再生医療の分野では2012年に名古屋大学が
間葉系幹細胞(MSC)の幹細胞培養液を使って、犬の歯周組織の再生や
ラットの頭蓋骨の再生に成功したと発表
また、2016年にはヒト乳歯歯髄幹細胞の細胞培養液が多発性硬化症の
有望な治療薬になる可能性があると発表しています
現在もいろいろな大学の各分野で人間での臨床研究が進んでいます
写真引用: http://news.mynavi.jp/news/2012/11/30/139/
幹細胞コスメに使われる幹細胞の種類は?
幹細胞培養液は大きく分けると
植物由来、動物由来、ヒト由来の3種類があります
植物由来
植物由来の幹細胞エキスはスイス・ミベール社が5年もの歳月を経て
「ウトビラー・スパトラウバー」からリンゴ果実培養細胞エキスを
開発したことにはじまり、さまざまな植物から幹細胞培養エキスが開発されています
その多くは高地や荒地、寒冷地など厳しい環境のもと
生き抜いてきた植物たちで、そのパワーが幹細胞エキスにも引き継がれています
・リンゴ幹細胞エキス
植物由来の幹細胞としてもっとも有名なのはリンゴ幹細胞エキス
希少品種として保護認定されているスイスのリンゴ種
「ウトビラー・スパトラウバー」の
果実から植物幹細胞をとり、人工培養して抽出したエキスです
保湿効果やエイジングケアに良いとされています
成分表示名:リンゴ果実培養細胞エキス
「ホンマでっか!?TV」や「月曜から夜ふかし」でも
リンゴ幹細胞エキス配合の幹細胞コスメが紹介されていましたね
・ぶどう
フランスのガメタンテュリエ種のぶどうから培養
紫外線から表皮幹細胞のダメージをケアするとともに
表皮幹細胞の活力を増大させるといわれています
成分表示名:ブドウ果実細胞エキス
・アルガン幹細胞エキス
何年も雨が降らなくても枯れないという
モロッコのアルガンの木の芽のから培養される幹細胞エキス
アルガンは種子から採れるアルガンオイルが有名ですね
肌のハリやキメを整えるといわれています
成分表示名:アルガニアスピノサカルス培養エキス
・緑豆(リョクトウ)
モヤシや春雨の原料としておなじみ
肌弾力を強化する作用を持っているといわれています
成分表示名:リョクトウ成長点細胞培養エキス
・アルペンローゼ
アルペンローゼはスイスアルプスの高山植物
皮膚幹細胞に栄養を与えて、
紫外線や乾燥などの外部ストレスから守ります
成分表示名:ロドデンドロンフェルギネウム葉培養細胞エキス
・ライラック
ライラックの葉の細胞の培養物のエキス
表皮幹細胞、真皮幹細胞を活性化する成分
成分表示名:ライラック葉培養細胞エキス
・エーデルワイス
抗酸化作用(アンチエイジング)
成分表示名:エーデルワイス成長点細胞培養物
・コンフリー
ヨーロッパ原産で生薬にも使われるコンフリーは
薬用植物としても古くから使われています
表皮のターンオーバーを促進させ
皮膚を滑らかにする作用があります
成分表示名:コンフリーカルス培養エキス
・サポナリアプミラ
スイスアルプスで氷河時代から自生する
高山植物のサポナリアプミラから培養
氷床に囲まれた厳しい環境で生き残った
強い生命力を持っています
紫外線ダメージに強いといわれています
成分表示名:サポナリアプミラカルス培養エキス
・クリスマムマリチマム
フランス・ブルターニュ地方の沿岸部に自生するセリ科の海浜植物
抗酸化作用、ターンオーバー促進作用
肌の再生力を高める作用があるといわれています
成分表示名:クリスマムマリチマムカルス培養液
動物由来
幼羊の毛根、羊の胎盤の幹細胞から培養された肝細胞培養液
ブタの乳歯歯髄幹細胞、骨髄幹細胞、脂肪幹細胞からの
培養上清を用いた化粧品や皮膚再生促進剤などの特許も申請されています
ヒト由来
ヒト幹細胞培養液(成分名:ヒト脂肪細胞順化培養液エキス)
人間の皮下脂肪から培養された肝細胞培養液です
肌のターンオーバーやアンチエイジングに
欠かせない成長因子などのサイトカインなどが多く含まれています
成長因子(グロースファクター)には表皮幹細胞に表皮細胞を
増産するシグナルを出すEGFや
真皮幹細胞に線維芽細胞の増殖を促すFGFがあり
EGFは肌のターンオーバーを促進して、シミやくすみを改善
FGFコラーゲンヒアルロン酸、SOD(抗酸化酵素)などを増やし
肌にハリや弾力を与え、シワやたるみを改善することがわかっています
ヒト幹細胞培養液も幹細胞自体が入っているわけではありませんので
ガン化や遺伝病になる心配のない成分です
ヒト幹細胞培養液に脂肪幹細胞を使う理由
2002年に脂肪組織にも幹細胞が存在することがわかりました
幹細胞にも、いろいろな細胞になれる働きがありますが
脂肪由来幹細胞培養液にも500種類以上のタンパク質成分や
サイトカインと呼ばれる細胞活性のカギとなる情報伝達物質も豊富に含まれています
近年、化粧品成分として注目されているEGFやFGFなどの
成長因子(グロースファクター)もサイトカインの一種で
アンチエイジング効果が期待できます
ヒト幹細胞培養液って、安全?
美容大国の韓国では2005年頃から
幹細胞コスメが出回りはじめましたが、いろいろな問題が起こり
2008年に幹細胞培養液に関して、法律が制定されました
韓国では皮下脂肪を提供するドナーに遺伝病歴、血液検査や
脂肪の組織検査などが行われます
製造工場にもクリーンルームでの製造など厳しい規定があります
製造後も医薬品と同じような検査項目をクリアして
化粧品の原料となるヒト脂肪細胞順化培養液エキスが作られます
日本ではまだこれらの法整備ができていません
国産のヒト幹細胞由来コスメの原料としての幹細胞培養液は
韓国などから輸入されるのが一般的です
日本では2014年2月に日本化粧品工業連合会の全成分表示名称委員会にて、
幹細胞培養液成分の表示名がヒト脂肪細胞順化培養液エキスに決まりました
まとめ
難しそうに思えた幹細胞コスメの世界
わかっていただけたでしょうか?
じつは幹細胞がそのまま入っているわけではなく
幹細胞培養液が配合されていること
幹細胞培養液には植物由来、動物由来、
ヒト由来の3種類があること
幹細胞培養液にも、幹細胞と同じような
パワーをもっていること
この3点が幹細胞コスメの基本です
コスメの最先端ともいわれる幹細胞コスメが
あなたの美肌に役立てば幸いです